米国VIとは?米国VI(VIX指数先物)の投資方法。株価暴落でショートで稼ぐトレード手法とCFD・ETF比較

米国VIとは?

米国VIとは

GMOクリック証券が名付けた指数先物の商品名のこと
原資産がCBOE(シカゴ・オプション取引所)に上場する「VIX指数短期先物」のこと

を言います。

つまり、

米国VI = VIX指数短期先物

のことなのです。

VIX指数短期先物とは

「Volatility Index(ボラティリティー インデックス)」の略称です。「CBOEボラティリティ指数(CBOE Volatility Index)」とも言います。日本語では「恐怖指数」と言います。

米国の株式指標である「S&P500」を元に、今後30日間の「S&P500」の予想変動範囲を表現計算された指標です。

予想変動範囲(%) = VIX / √12
※2003年に精度の高い計算方法に変更

今後、30日間に「S&P500」が大変動すると投資家が判断しているときにVIX指数が大きくなるため、

数値が高いほど投資家が市場に対して不安や恐怖を抱いていること

を示します。

「VIX指数」と「S&P500」は負の相関関係にあります。

S&P500とは

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数のことを言います。

ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から代表的な500社を選出し、その銘柄の株価を基に算出される時価総額加重平均型株価指数

です。

  • マイクロソフト
  • Apple
  • Visa
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン
  • ファイザー
  • JPモルガン・チェース
  • バンク・オブ・アメリカなど。
  • Amazon.com
  • マクドナルドなど。
  • ボーイング
  • Facebook
  • ザ コカ・コーラ カンパニー

など、米国を代表する企業500社の株価指数です。

米国株と米国VI(VIX指数)の関係

米国VIは、米国を代表する企業500社の株価と逆に動くVIX指数を意味します。

  • 米国株が上昇 → VIXが下がる
  • 米国株が下降 → VIXが上がる

実際に過去のチャートを見てみると

2008年のリーマンショックのときに

  • 2008年10月24日 VIX指数 89.53

2020年のコロナのときに

  • 2020年3月17日 VIX指数 82.69

を記録していますが、何もないときは

  • 10~30の間を行き来

していることがわかります。

VIX指数のリアルタイムチャート

VIX指数リアルタイムチャート分析

S&P500 リアルタイムチャート分析

ユミ先生
ユミ先生

両方のチャートを見ていれば、見事に逆相関になっていることがわかるわ。

米国VIの取引でおすすめの証券会社

米国VIの取引ができるなら

→ GMOクリック証券「米国VI」

米国VIの取引ができないなら(関連する商品で取引できる)

→ GMOクリック証券の「米国VIブルETF」

→ IG証券「EU ボラティリティー指数」

米国VI(VIX指数先物)のトレード手法

トレード手法の考え方

VIX指数 = 数値が高いほど投資家が市場に対して不安や恐怖を抱くと上昇する指数

です。

  • 投資家が不安を感じる → 株価が暴落する → VIX指数が上昇する(米国VIが上昇する)
  • 投資家が冷静 → 株価が安定する → VIX指数が下降する(米国VIが下降する)

という関係にあります。

米国VI(VIX指数)のトレード方法は

VIX指数は、投資家の不安がなくなると、10~30ドルの間に収まる

という性質を持っています。

過去のチャートを見ても明らかに

基本的に「10ドル ~30ドル」の間を推移する
相場落ち着いている期間は「10ドル~15ドル」に落ちる

という傾向が見て取れます。

ユミ先生
ユミ先生

市場が一時的に加熱したり、株価が暴落したりするのは「一時的」なもので、長期的に見れば市場が冷静さを取り戻し、株価も安定する時期が必ず来るの。

この性質を利用すると

米国VI(VIX指数)が20ドル以上になった時に「売り」でエントリーすれば、必ず10ドル~15ドルに落ち着くので、そこで利益が取れることを意味しています。

トレード手法の具体的な方法

  • 米国VI:20ドルを超える → 1枚「売り」エントリー → 15ドルで決済
  • 米国VI:20ドル以降、5ドル上昇ごとに → 「売り」エントリー(1枚追加) → 15ドルで決済
  • 米国VI:20ドル以降、直近高値を超える → 「売り」エントリー(1枚追加) → 15ドルで決済
  • 米国VI:29ドル以降、2番天井をつける → 「売り」エントリー(1枚追加) → 15ドルで決済

上昇局面では、売りポジションをひたすら増やして、中期的に15ドルまで戻るまで待つ、スイングトレード

と言えます。

ロスカットさえされなければ、そのうち15ドル以下に戻るのです。

この「ロスカットされない」ということが非常に重要です。なぜならば、米国VI(VIX指数)が上昇している間は、ひたすら(資金に余裕がある限り)「売り」ポジションを増やしていくのですから、ここでロスカットされてしまえば、そこで資金はゼロになってしまいます。

ロスカットされないポジション数

過去に米国VIが上昇したポイントは

2020年3月18日 80.02 (コロナショック)

です。

つまり

81ドルまでは上昇しない = 81ドルまで耐えられるポジションまででトレードする

ことができれば、ロスカットされずに安心して、売りポジションを広げて行くことができるのです。

米国VI(VIX指数)1枚あたりにいくら必要か?

米国VIは1枚の取引単位が10倍です。

米国VIが20ドルだと仮定した場合、レバレッジが1倍であれば、200ドル(220,00円 ※1ドル=110円)が必要になります。

  • 必要証拠金 = 20ドル / レバレッジ:5倍 × 取引単位:10 × 1ドル:110円 = 4,400円

81円まで耐えるための任意証拠金は

  • 任意証拠金 = (81ドル - 20ドル) × 取引単位:10 × 1ドル:110円 = 67,100円

米国VI20ドルの時に1枚の「売り」ポジションを持つのに必要な金額(拘束証拠金)は

  • 拘束証拠金 = 必要証拠金:4,400円 + 任意証拠金:67,100円 = 71,500円

となります。

枚数拘束証拠金
1枚71,500円
2枚143,000円
3枚214,500円
4枚286,000円
5枚357,500円
6枚429,000円
7枚500,500円
8枚572,000円
9枚643,500円
10枚715,000円

20ドル → 15ドル で予定通り「決済」できたときの利益は

  • 5ドル × 取引単位:10倍 = 50ドル(約5,500円

です。

2019年のデータで

米国VI:20ドルを超える → 1枚「売り」エントリー → 15ドルで決済

というシンプルなポジション1枚以上に増やさないトレードをした場合

エントリーチャンスは、3回です。

1枚 71,500円の投資に対して
5,500円 × 3回 = 16,500円のリターン

ですから

1年間の利回り = 23.1%

ということになります。

当然、ロスカットの設定ラインを引き下げれば、それだけ利回りは高まります。

ロスカット設定ライン必要証拠金任意証拠金拘束証拠金リターン利回り
30ドル4,400円11,000円15,400円16,500円107.1%
40ドル4,400円22,000円26,400円16,500円62.5%
50ドル4,400円33,000円37,400円16,500円44.1%
60ドル4,400円44,000円48,400円16,500円34.1%
70ドル4,400円55,000円59,400円16,500円27.8%
81ドル4,400円67,100円71,500円16,500円23.1%

筆者がおすすめするのは、ロスカットされない、コロナでも、リーマンショックでも耐えられる81ドルです。

強気で攻めるのであれば、50ドルぐらいまでは攻められるのではないでしょうか。ロスカット設定ラインが50ドルだと、利回り44%ですから、2年に一回コロナやリーマンショック級の世界的な事象が発生すれば、マイナスになってしまいます。

利回り23%で安定して稼げるスイングトレードのトレード手法として、安全に運用することをおすすめします。

米国VI(VIX指数)投資のメリット

1.ロスカットされなければ、ほぼ勝てる投資方法

米国VI(VIX指数)投資は

経済が安定すれば、必ず、10ドル~15ドルに幅に収まる

という仕組みの投資です。

経済が不安定な状態が続くということは、過去の歴史から見てもほとんどなく、不安定な期間は短期間に終わり、経済が安定します。

ロスカットさえ、回避すれば、遅かれ早かれ、必ず利確できる投資方法なのです。

勝率を算出することはできませんが、米国VIが30を超えればほぼ必ず10ドル~15ドルの利益は手に入れることができるのです。

2.エントリー・ロスカットラインが決めやすいシンプルなトレード

米国VI(VIX指数)投資は、過去の推移を見ながら、エントリー価格、ロスカット価格が決まってくるシンプルなトレードです。

  • 20ドルでエントリーして、15ドルで利確
  • 22ドルでエントリーして、15ドルで利確
  • 25ドルでエントリーして、15ドルで利確
  • 30ドルでエントリーして、15ドルで利確

のように結果的に10~15ドルに落ち着くため、利確ラインは多くの投資家が15ドルに置いているため、後は「どこでどのぐらいの売りポジションを持つのか?」を決めればそれで済むのです。

テクニカル分析も必要なく、単純に

〇ドルを超えたら売りポジション△枚、利確を15ドルに設定

というだけで済みます。

設定したら、後は利確されるまで待つだけです。

※ロスカットされないように証拠金維持率がロスカット水準に近づいてきたら、追証で逃げる運用は必要になります。

初心者でも運用しやすい、シンプルなトレードであることが大きなメリットです。

3.事実を確認してから、エントリーできる

米国VI(VIX指数)投資は

経済が不安定になって、米国VI(VIX指数)が上昇したのを確認してから、エントリーすることができる投資

です。

米国VI(VIX指数)が急上昇するときは、ファンダメンタルズ的なきっかけが存在し、経済が急激に不安定になるのです。

そこから、不安が払しょくされていくにつれて、なだらかに下がっていくのがパターンです。

つまり、急激に米国VI(VIX指数)が上昇し、なだらかに下がっていく局面で、手堅く売りポジションを持っても、徐々に下がっていくので利益を増やせるのです。

事実 : 急上昇後、徐々に下降する(安定に向かう)

を確認してから、売りエントリー

でも十分に勝てる投資方法なのです。

米国VI(VIX指数)投資のデメリット・リスク

1.米国VI(VIX指数)の上限は不明

リーマンショック時には

  • 2008年10月24日 VIX指数 89.53

コロナショック時には

  • 2020年3月17日 VIX指数 82.69

です。

VIX指数の計算方法は、予想変動範囲(%)に倍率をかけるものですから、100が上限というわけではないのです。110になる可能性も、120になる可能性もあります。

過去のリーマンショック、コロナショックを天井として、ロスカットラインを設定したとしても、それ以上になるリスクは消せないのです。

ロスカットされれば、投資元本がすべて飛んでしまうリスクがあります。

2.含み損に対するメンタルが持たなくなる

いかにロスカットされないような証拠金をもってトレードしたとしても、

20を超えて売りポジションを持って、コロナショックに遭遇すれば、ギリギリのラインの含み損を抱えて、いつロスカットされるかもわからない恐怖と闘いながら、我慢してポジションを持ち続けなければなりません。

投資の上級者なら、それぐらいのことではメンタルは揺れないと思いますが、初心者投資家の場合は、大きな含み損の発生、含み損の拡大、ロスカットラインへ近づく動きに耐えられず決済してしまう方も少なくありません。

3.トレード機会が少ない

米国VI(VIX指数)が20を超えたときに売りポジションを1枚持つ

というだけで枚数を増やさずにトレードをした場合、トレード機会というのは

  • 年間3回~4回

です。

トレード機会としては少なく、スイングトレードと長期投資の間ぐらいのトレード手法となっています。

このトレード機会で大きく稼ぐためには、20を超えてからも、米国VI(VIX指数)が上昇するにつれて、枚数を増やしていかなければなりませんが、そのためには、相当額の証拠金を持っていないと、ロスカットに耐えられるラインが下がってしまい、リスクが増えるだけなのです。

メインのトレード手法にするには、トレード機会が少なすぎるのです。

4.米国VIは取引制限がかかる

米国VIは、VIX指数を基に生成されたGMOクリック証券のCFD商品です。

この銘柄の新規売注文は現在規制されています。

出典:GMOクリック証券

CFD取引で取引規制が実施される可能性はありますか

回答

ございます。

CFDの参照原資産の相場状況を勘案し、お客様のリスク管理の観点から当社で判断のうえ規制を実施いたします。

CFDの参照原資産が上場されている取引所等の規制により、参照原資産の取引に規制が設けられた場合や、株式CFDが参照する株式の発行体の資本政策や企業活動などが株価形成に重大な影響を与える可能性があると当社が判断した場合、CFDの新規取引を停止することがございます。

また、参照先であるカバー先の取引所において値幅制限へ到達し、当社のカバー取引ができない場合、お客様の注文受付を停止する銘柄もございます。

出典:GMOクリック証券

CFDでの米国VIは、2020年2月24日から取引規制されています。

どんなに米国VIが高騰して、売りポジションを持つチャンスだとしても、取引制限をされてしまったら、取引はできないのですから、チャンスが過ぎ去ってしまいます。

売りたいときにポジションを持てない可能性があるのです。

(FX会社が取引を規制するということは、FX会社が負ける可能性が高いトレードということですから、勝ちやすい状況になった証左でもあります。)

米国VIの取引でおすすめの証券会社

米国VIの取引ができるなら

→ GMOクリック証券「米国VI」

米国VIの取引ができないなら(関連する商品で取引できる)

→ GMOクリック証券の「米国VIブルETF」

→ IG証券「EU ボラティリティー指数」

米国VI(VIX指数)の買い方。CFD・ETF比較

米国VI(VIX指数)の買い方には何がある?

VIX指数に連動する商品としては

  • 先物オプション
  • ETF
  • CFD

の3つの商品があります。

投資方法商品取引方法
先物オプションシカゴ先物市場(CME)先物海外の先物オプションをトレードできる口座必要
ETFVIX連動ETF
VIX連動ブルETF
VIX連動ベアETF
レバレッジ取引ができない
ショートポジションが持てない
流動性が低い
CFD米国VI
米国VIブルETF
米国VIベアETF
レバレッジ取引可能
ショート可能
流動性が一定以上はある

海外の先物オプションがトレードできる日本国内の証券会社は少ないため、「先物オプション」は、選択肢から外れます。

また、ETFは「ショート」でポジションを持てないため、そもそも、今回のVIX指数に合わせたショートポジションでトレードをすることはできません。

必然的に

今回のトレード手法では

米国VI(VIX指数)の買い方は「CFD」がおすすめ

ということになります。

米国VI(VIX指数)のCFD取引ができるおすすめ証券会社

VIX連動のCFD取引ができる証券会社は2つしかありません。

の2つです。

どちらも同じチャートになっていることがわかります。

左:米国VI 、右:EU ボラティリティー指数

※VIX連動ETFのCFD取引ができる証券会社は他にもあります。後述します。

2つの商品を比較すると以下のようになっています。

GMOクリック証券とIG証券比較

CFDGMOクリック証券IG証券
VIX連動CFD商品名米国VIEU ボラティリティー指数
通貨米ドルユーロ
スプレッド0.06ドル0.08ユーロ
レバレッジ最大5倍最大7倍
手数料無料無料
取引制限の頻度多い少ない
最低取引数10倍5倍

GMOクリック証券とIG証券はどちらがおすすめ?

GMOクリック証券の方が

  • スプレッドが狭い
  • ドル建て
  • トレード画面・サイトが使いやすい

というメリットがあるため

GMOクリック証券の「米国VI」がおすすめです。

しかし、GMOクリック証券の「米国VI」は、取引規制が入ることが多く、トレードができないことが少なくありません。

その場合は、選択肢として同じVI連動型のCFD商品でトレードできる

IG証券「EU ボラティリティー指数」がおすすめです。

というか選択肢がこれしかなくなるということになります。

VIX連動ベア型ETFはダメなの?

VIX連動ベア型ETFとは

VIX指数に連動したETFのこと

を言います。

GMOクリック証券の場合

「米国VIブルETF[UVXY]」という商品名で販売されており、正式名称は「プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF」と言います。

「プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF」は、S&P500VIX短期先物インデックスに対して1.5倍の利回り実績に対応する投資成果を目指しています。

簡単に言えば

証券会社がVIX指数と連動するように運用する金融商品

と言えます。

1.5倍の利回り実績を狙って運用しているため、リスクも、リターンも、約1.5倍となります。

証券会社が買いと売りをコントロールしながら、VIX指数と連動するように運用しているため、VIX指数に投資するのと近い効果が得られるのです。

  • 正の相関になるものを「ブル型」
  • 負の相関になるものを「ベア型」

と言います。

大きな問題はGMOクリック証券の「米国VI」、IG証券「EU ボラティリティー指数」と比べると

  • VIX指数との相関が薄い
  • 時間と共に価値が下がる特性がある

という問題点があります。

VIX指数との相関が薄い

VIX指数
GMOクリック証券の「米国VI」
IG証券「EU ボラティリティー指数」

どれもきれいに連動していますが・・・

GMOクリック証券の「米国VIブルETF」と「米国VI」

直近のチャートを見てみると形が異なることがわかります。これは証券会社が指数に連動させるように調整するため、若干指数と反応が遅れて現れるためです。連動性が低いのです。

時間と共に価値が下がる特性がある

GMOクリック証券の「米国VIブルETF」と「米国VI」

これを見れば明らかなように「米国VIブルETF」は、組成されてから時間経過とともに価値が下がっていく傾向があります。

「売り」ポジションでショートの利益が取りやすいというメリットにもなりますが、なかなか上昇しないのでトレード機会が少ないというデメリットにもなるのです。

米国VI(VIX指数)のおすすめの買い方

第一の選択肢は

GMOクリック証券の「米国VI」

です。

GMOクリック証券の「米国VI」に取引規制がかかっていた場合

第二の選択肢は

IG証券「EU ボラティリティー指数」

です。

IG証券の口座を作りたくない、IG証券の取引画面が見にくくて抵抗感がある場合

第三の選択肢は

GMOクリック証券の「米国VIブルETF」

となります。

米国VIの取引でおすすめの証券会社

米国VIの取引ができるなら

→ GMOクリック証券「米国VI」

米国VIの取引ができないなら(関連する商品で取引できる)

→ GMOクリック証券の「米国VIブルETF」

→ IG証券「EU ボラティリティー指数」